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自由学園明日館見学会

2013年08月02日
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イベント
建築家フランク・ロイド・ライトの作品で、国の重要文化財である自由学園明日館。
12年前に修復工事を担当した現場監督の斉藤さんによる解説、日本で誰よりも知り尽くしている方が応援団メンバーにいてよかったです。

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3年かかった。ボロだから誰も引き受けない。
定年後1年かかわってやっと終わった。バラックでも使ってたので危なかった。
ヨーロッパ風で柱が多い。床と入り口が同じ高さ、日本の気候を理解してなかったので、浸水してボロボロを修復した。
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ここの4本の桜を残すのが大変だった。館長は残したいというし。
交換条件を出して、裏の木を切った。いまや桜はイベントになってる、残してよかった。
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天窓は文献を調べて、手でほったらあった。
建具金物も古いものをたたいて使った。

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食堂を造るのは文化財とは別棟で考えた。
身体障害者のためのエレベーターなど新しく建物を作った。
ショップも3階建てにすると景観をそこねるので、地下にした。
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芝生のところに3階建てのプレハブを作り、古い部材を解体してしまっておいた。
屋根は緑青銅板、役所から反対された。
予算がないので、脱却式のシートでやった。
施工会社で、工夫した。

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この奥の部屋の柱の位置が変な場所にあり、おかしいなあと全解体したら基礎工事の跡が出てきた。
黒板が見えないからとずらした位置に結局は落ち着いた。この部屋は鉄骨を入れた。
この部屋がライトの基本だ。
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なぜ戦争にも残ったのか、アメリカ軍はライトの設計と知って、爆撃しなかった。
壁のフレスコ画はぬりつぶされてたが、手作業で掻き出したら絵が出た。
戦争の関係でつぶしたそうだ。
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地下から昔、使ってた鍋が出てきた。
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帝国ホテルと同じタイル
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漆喰の磨き
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漆喰の引きずり仕上げ
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各所に使っている大谷石は、硬化剤で埋めた。
古い石をなるべく使った。
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女子部の生徒の椅子と机
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講堂は広くて落ち着いてる。結婚式場に人気だ。
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こらこら手を突っ込んでるSさん

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階段の一番下が小さい、でも治せない。これが保存だ。という斉藤さんの言葉はとても重かった。
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一番苦労したところをお聞きしました。

本当にできるのか。半解体でできるのか。
思った以上にバラックだった。
柱をつないでいたヵ所が多い。
補強の仕方が検討つかなかった。
グリーンの色、壁の色がむずかしかった。
体力がないと現場監督になれない。
年上の人たちを使うのは大変苦労した。
自分の父、母の年代を相手に神経を使った。
有名な建物を修復したかった人たちが口を出してきた。
昔の資料を貸してくれなかった。

斉藤さんありがとうございました。
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パンフを1000部も折ってくれたり、名札係や、いろいろな担当の斉藤さんがいつになくご立派にみえました。

明日館
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Posted by 中野たてもの応援団
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